2011/12/21

T邸07 「基礎 + 刻み見学」

基礎が打ち終わり、刻みの見学も兼ねT夫妻と現場に行きました。
長閑な武蔵野の面影残る風景にほっとします。
周辺の風景

コンクリートは水と反応して固まります。だからその途中で凍ってしまったらアウトです。そういった訳で冬場の基礎打ちはとても気を使います(主に基礎屋さんが)
打ち込み前日の打合せではミルシートを片手に配合の細かな説明までして頂きました。
T邸の基礎はとても丁寧な仕事で、色々勉強させて頂いてます。

基礎養生


シートの下に毛布(?)まで敷いてありました。(コンクリートは水和反応の過程で熱を出すので、その熱が逃げないようにしています。なので調合のバランスをとって凍らせません)
養生の横から覗いた感じでは、きりりとした凛々しい基礎になりそうです。うれしいな。

その後、棟梁の刻み場に見学に伺いました。
下の写真は大黒柱です。長さは7mほどで家の基礎から棟までを貫きます。
いつもお世話になっている(T邸に関してはとーってもお世話になっている)
浜中材木店 http://www.hamanaka-zaimokuten.jp/
地場の材料を山から切り出して、用意して頂いたものです。それを地元の野崎棟梁に手刻みしてもらい家が建ちます。本来は当たり前な話ですが、昨今はなかなか一般的とは言えなくなった伝統的な住まいづくりです。実際にものを手で作り出す人間の感性を無視して、数値と想定だけを頼りに利益のみを求めてつくられた家との違いが、出来上がるものにちゃんと現れてきます。上棟が楽しみです。


大黒柱
足元の刻み

その後、刻み終わった材料を寝かしてある倉庫に向いました。
写真はその一部ですが、人の背丈以上のボリュームです。
風工房の家は木材を多く使います。100歳の木を使うならば家は100年はもたなくてはいけないと言うのが住まい塾運動の考です。これは具体的なサイクルシステムと言うよりは、もっと深遠な生き方の姿勢の話だと僕sは思っています。だから、この頃言われている200年住宅とか長期優良住宅といった話とはちょっと違う気がしています。環境をシステムとして利用するというよりは、世界あるいは自然とどんな風に関り合って人間は生きるべきなのか、を問うていると思うのです。T邸もただ性能として、100年もつという家ではなく、家のもつ魅力でひとが長く愛着を持って100年生きさせてくれる家になって欲しいです。

刻み終った材

2011/12/15

T邸06 「基礎配筋」

いよいよ足元ができてきました。きれいな配筋です。良い仕事には美しさがありますね。こういうのを見ると、幸せな感じがします。
T邸は地面の状態からベタ基礎にしました。べたっと地面にへばり付いている基礎です。中ほどに十字に凹んでいる所が地中梁です。豆腐の上にワッフルが載っている感じです。(あまり美味しそうじゃないなぁ)ワッフルの凸の部分が地中梁で、ワッフルを丈夫にしています。
基礎は鉄筋コンクリートで出来ているのですが、この鉄筋とコンクリートがお互いを補完し合って丈夫な材料になっています。コンクリートだけだと、ぼそぼその生地の様になってしまいます。そこで、鉄筋というつなぎを入れて、コシのある生地をつくります(微妙な例えだけど)。ここにはケーキと一緒で、絶妙な配合や焼き具合、タイミングその他いろいろプロフェッショナルなミソがいっぱいあります。そして、ある基準を満たせば後は他の要素とのバランスで決めていきます。酒にする米と、鮨にするシャリと、お家のご飯がそれぞれ同じお米でも違うように、基礎もベタ基礎だから良いとか、そういう部分情報だけの良し悪しに惑わされてはいけません。
ケーキで大切なのは食べて幸せになれるかどうかだと思っています。生地の小麦が何処産だとかは正直あまり気にしません(よほど問題があるものは別ですが、、でもこれは食べたら味にでるからわかるけど)
家も同じ事だと思っています。住んでいて幸せかどうか。更に言えば、我欲を満たす幸せではなく、もっと大きな幸せのあり方を感じる家であって欲しいと望んでいます。
ケーキが美味しいか美味しくないか(好みの差はあれ)口に入れるだけで分かる様に、家も一見したら分かるものです。好みの差はあれ

基礎配筋の様子

2011/12/14

T邸05 「柱状改良」

 T邸では地盤の状態に偏りがあった為、基礎を打つ前に地盤を改良していきます。
このあたりは開発地なので、周辺には新たに家が建ち続けています。
つくられたものには色々な物事が現れてきます。周辺の住宅が僕sの生きている世界の端的な表れだと思うと考えさせられます。


改良の様子



2011/12/08

「愛知県 -ギャラリー槐- 完成見学会」案内

完成見学会のご案内です
愛知県長久手にギャラリー併設の住宅がほぼ完成しました。
見学会を12/18(日)1:00~3:00に行います。詳しくはご連絡ください。
ギャラリー槐では杮落としとして「三人展」(松岡信夫・平川鐵雄・松岡葉子)を12/15~21まで、開催中です。

ギャラリー内観


2011/11/24

ホームページ修正

 なかなか手が付かなかった風工房のホームページですが、この度修正しました。まだ中途ですが、アップしました。色々いじったのですが、代わり映えしているようには見えませんね。でも良くなっています。たぶん www.kazekoubou.jp



2011/11/21

T邸04 「水盛遣方」

「水盛遣方」は高さと位置の基準を決める作業です。昔はホースなどに水を張り、Uの字にして水面が同じ高さになる原理をつかい、水平を出していた(そうです)。シンプルで気持のいい原理。現代はトランシットと言う機械を使います。



水盛の様子

杭に基準の高さを書きます

T邸03 「地鎮祭」

大安吉日、小春日和に恵まれて、無事地鎮祭が終わりました。
地鎮祭は土地の神様に建築の報告と安全を祈願する祭事です(私見)




2011/10/24

T邸02 「打ち合わせ」

設計はほぼ終盤で、打合せは確認事項と資金計画です。資金計画の話は追々ゆっくり整理して書きたいと思います。
この日は他に地盤の状態にバラツキがある事から、柱状改良をする旨を打ち合わせました。まさに先日書いた様な状態です。こうなって来ると資金計画が絡んで話がもう一段ややこしくなる。程度の問題で、明らかにやらざる得ない場合はするしかないが、T邸の場合はグレーゾーンと言った感じ。元々は工場の跡地で部分的に土の入れ替えもしてあったので、危ない箇所を避けて一番良い土地を選んだのですが、こればかりは蓋を開けるまで分からない。ともかく、希望的観測には拠れないので、改良となりました。(他の土地は大丈夫かなぁ)

2011/10/12

T邸01 「地盤調査」

T邸が出来上がるまでの過程を載せよう思います。
T邸は武蔵野の郊外に建てる、夫婦と子供2人のための家です。
延べ床面積は29坪ほどで、これから普通に家を建てたいと思っている人たちの参考になればと思います。
竣工は来年夏を予定しています。見学会もあるので、お楽しみに。


先ずは、地盤調査から。
スケールを大きく考えると、地面は意外とやわらかいものです。
建物は硬い地面の上に建っているというよりも、やわらかい豆腐の上に載っていると僕sは想像しています。(木綿か絹かの違いはあるにせよ)
全ての事象がそうであるように、建物もまた、それだけで成立しているものではありません。地盤調査は建物と地面の関り合いを考える上でとても大切です。
一番具合が悪いのは建物の右と左で地面の硬さが違うことです。一方がやわらかくって、一方が硬いと建物が傾いていったり、一部だけ沈んでしまったりと問題がおきます。そんな土地の時は相応に地盤改良などをして対応していきます。


土の中は見えないので、地盤調査をして様子を伺います。口伝で地盤が良いと言われている所も行います。確かに周辺のデータや地形からおおよその地面の性格は読めますが、果たしてその限定的な場所がどうなのかは、本当のところ誰にも分かりません。口伝通り良い地盤なら「よかったよかった」と思いましょう。大切なことは意外と目には見えないところにあるものです。


さて、写真は現場のSS試験のようすです。試験所の方が作業をしています。
すごく簡単に言ってしまうと、棒を刺してその感じ(反力や音、感触いろいろな事があると思います)で土の中を探ります。ただ柔らかい硬いだけでなく、その性質の違いまでわかります。すごい事ですね。(ちょっと乱暴な私見です。本当はもっと厳密に数値化された世界です)
この日はその後、工務店と打合せに行きました。




作業の様子

敷地の様子


さっそくFAXでデータと見解の速報を頂きました。
ありがとうございます

2011/09/30

さいしょに

いまさらだけれども、ブログを始ます

何を書いていこうかは、まだハッキリしないけれども、
きっとそのうち何かでてくるかなぁ