2012/05/30

T邸15 「完成見学会のご案内」

「完成見学会」6月2日(土)3日(日)1:00から3:00

いよいよ「T邸」が完成のはこびとなります。関わった多くの方々に謝意を申し上げます。
たくさんのご苦労があったと思いますが、お陰をもちましてとても良い家が竣工します。(あと一息ですが)本当にありがとうございました。
T邸は若い夫婦と子供のための家です。若い夫婦の多聞にもれず、がぎられたコストのなかで(もちろん当初より頑張ってもらう事となりました)良い家をつくるのは本当に大変です。なぜならば、別に僕たちは「安さや利潤」を目標に設計をしているわけではなく「魅力的な、よい家をつくる」事が第一義に目指すべきところだと考えているからです。(安さの中でよいものをつくろうという事と、いい物を如何にコストを抑えてつくるかは、ものづくりのベクトルが決定的に違ってきます)しかし、それは現実的な資金の中で作られなくてはなりません。風工房でつくられる全ての家がそうですが、その兼ね合いやバランスの中、ギリギリの線でつくっています。この事は、建て主やつくり手全員の共感と苦労があるからこそできる、現代では稀有な事です。こういう事ができることに、ありがたく感じています。 
 こうしてつくりあがった家の意味や価値をどのように言ったら良いかはまだよく分かりません。

2012/04/21

「松岡信夫 -鉄の象形展- 」のご案内

松岡信夫さんの個展のご案内です



会期 : 2012年5月9日(水) ~ 5月21日(月)
場所 : Azabujuban-Gallery
住所 : 港区麻布十番1-7-2-102
電話 :             03-5411-3900      
開廊 : 11:00 ~ 19:00
定休 : 火曜日


アインズホームページ


今回の展覧会はモビールもつくっている様。楽しみです
パンフレットのうねうねとした鉄は、ほんとに象形文字みたいで、想像が膨らみます




2012/04/06

T邸14 「現場 - 05 左官」

今日は外構の打合せを現場で行いました。「晴天」「満開の梅」「春の陽気」、良い気分です。
なかなか現場に来ても写真を撮る時間が無いので、打合せを午後にしてもらい、その前に少し写真を撮りました。
2日前に左官を塗ったとの事で、壁はまだ乾ききってない状態。漆喰の匂いがします。これから、どんどんと華やかな感じになっていきます。とても良い壁です。
ものの質感というのは、とても大切です。昨今言われいる自然素材の機能性などは、表面的な話に過ぎません。この質感によって、ひとつの壁が風景にすら匹敵する魅力を持ちえます。
現在の日本人のほとんどの人が質感の本当の意味もそれによる喜びも分からずに過ごすのは、実に不幸な話です。(本当に残念に思います)
T邸の内壁は漆喰です。白くてつるつるのだけが漆喰壁ではなくて、歴史風土とともに色々な壁があります。ショートケーキのクリームの様に塗るのですが、とても難しい技術です。一度塗らせて戴いたことがありますが、ただ塗るだけなら知らず、きちんと塗るのはとても難しかったです(僕sには無理でした。その後ちゃんと直してもらいました)。壁や天井に見切りがあれば、その面だけを塗ればよいのですが、T邸は壁も天井も見切り無く繋がっています。この為一気に塗らなくてはいけません。さらに、コーナー部分を曲面にしてもらっていますから、もうもう大変です。熟練した感性の高い左官屋さんでないと出来ません。
ものづくりは大変ですが、奥深く魅力的です。


これから、浴室タイル工事、外壁仕上、電気、設備、外構などの工事が行われます。
竣工が楽しみです。




外壁下塗りの状態。


曲線壁の中にアーチがある入り口。大工さんが下地を作るのですが、大変だったそうです。
もちろん左官屋さんも大変です。
でも、苦労をしていただいた甲斐があって、魅力的な入り口になりました。


この壁はとても大事で、色々な事を絶妙に調和してくれています


2Fから階段室をみる。窓の向こうには山並み


寝室。落着いた光でよく眠れそうです。


キッチン。入りました。


居間と続く空間なので、冷蔵庫は奥の部屋です



美味しいご飯がいっぱい出てきます(予定)



2012/03/10

T邸13 「現場 - 04 造作おしまい」

今日で大工さんの造作工事は大体、御仕舞だそうです。お疲れ様でした。


素敵なキッチンカウンター

柱に絡む所

内部のボードは今日で貼り終わり

アール壁のアーチ
下地を作るのが大変だったそうです
でも、出来上がりは御苦労の甲斐が現れると思います

2F寝室。静寂な光です

外壁下地が塗られましたが、カバーで見えません。
残念。
道路まで距離があるので、カバーを取ってしまい作業を外に見せたらいいのにと、いつも思ってます。

2012/02/18

T邸12 「現場 - 03 造作」

 いよいよ内部の造作をしていきます。大きくは「窓等の枠、階段」と「造り付けのカウンターや棚など」です。建物をつくり込んでいく程、完成時の感じも良く(?(正確にはイメージを作り込んでいけると言うべきか))なりますが、造作は増え、コストも増えていきます。
完成時だけの使い勝手で完結する家の場合は凝ってつくり込む家の魅力もありますが、個人的には自由度が高い空間で住み手のセンスが反映されてよりよくなるほうが今は好きです。しかし、いろいろな問題と関係してくるから、なかなかどれが良いとは一概に言えないかなぁ。
  



洗面室のカウンター。ここに洗面器がのります。

棟梁はカウンターの側板と階段を製作中

2F寝室は天井のボードを張ってました

2Fファミリースペース

の長いカウンター。気持よさそうです

天窓の天井の角度を原寸図で確認

窓枠

その後工場に行きカウンター材を見せてもらいました。
まさか一枚板のカウンターに出来るとは思っていなかったので、嬉しさ倍増です。
浜中さんありがとうございます。
樹種は「アサメラ」というアフリカの木です。
素朴で力強く味わい深い木でした。




2012/01/29

ホームページ修正

昨年末竣工した「ぎゃらりー 槐」の写真を公開しました。
グーグルクロームからだと、リストの読み込みに不具合があって、まだ直せていませんが、リスト上で、右クリック-フレームの再読み込みで直ります。
竣工検査と見学会の時に撮った写真なのですが、意外とちゃんと撮れているのでは?
出来たばかりで、家も緊張しています。1年も経つとすっかりなじんで、ずうっと以前からそこにあった様な姿になります。そして、家も成熟して年々素敵になっていきます。もちろん住む人の助けがあってこそですが。

2012/01/20

T邸11 「現場 - 02 軸組み構造」

今日の現場監理は構造関係のチェックです。筋交い位置や使用金物等の、これからの工事で見えなくなってしまうものの確認を行います。と言うのは一部で(もちろんチェックはします)現場でいろんな職方さんと打合せしたり、色々教えてもらったりします。ものづくりの現場は楽しい事がいっぱい転がっています。そして現場では、全体の流れの様なものをよく見る様にしています。この全体性が一番大切で、部分の些末な事は要素であって、そんなに大事ではありません。極端な話、筋交いの一個二個なくても、十分丈夫な家ですから(もちろんちゃんと入ってます。例えですから)。
ものが出来上がっていく過程では実際のものがあるので、部分に意識が向きやすいものです。しかし、部分的なものごとにとらわれてしまうと、全体を損なってしまう事が多々あります。そこでは、大切なものごとの為の要素である「部分」から、部分の為の「部分」になってしまいます。同じ「部分」でも違う意味の部分です。気をつけたいところです。

1F居間の窓


筋交いと引抜金物など


通風スリット。防虫網




床下地を張っています。仕上でもいい程の材料です




2Fの窓


2F全体は見えないけれども


部屋から野地板を眺める




良い流れを感じる現場です。きっと、いい家ができます。

2012/01/16

T邸10 「現場 - 01 屋根葺き」

 日本の家は上棟が終わった後、まず屋根を葺きます。現在ではまず見られませんが、古くは、屋根を葺いた後、ある期間木の乾燥や動きを出させてゆがみの調整をしたり、土壁を乾燥させていたと聞いています。
 屋根は建物のなかで最も過酷な環境にさらされる場所のひとつです。そして、最も建物の姿にとって重要な部分です。T邸はピラミッド(方形)の屋根の裾を一部45度に切り欠いた形をしています。これをつくるのはとても大変な事ですが、そこがこの建物の大切な所になっていて、さまざまな事柄に波及してこの家の魅力になっていきます。あるいは逆に言うならば、この切り欠いた事(欠如)が波及して、屋根の形になり建物の姿として現れて来るのかもしれません。









防水シートが敷いてあります。これで、多少の雨は大丈夫です。換気口が付くので、天辺はまだシートを外せません

軒先の様子です。なかなか見ることはないですね。

鼻隠しと破風板の取り合い

妻側、破風板の合わせ。この厚みの中に仕掛けがあり、合わせ目が広がらない様にしています。

通風用のスリット。
屋根で熱せられた空気は棟の換気口から出て放熱し、ここから新しい外気が取り入れられます



内側からスリットを見た様子



このボルトは何だろう?と思ったら、鼻隠しを引き寄せているんですね(多分)



板金屋さんが作業しています
お疲れ様です




2012/01/13

T邸09 「上棟02」

午後からの作業。いよいよ棟があがります




先ずは、骨組みをぐぐっと締めていき、水平垂直を出して、仮止めしていきます



ちょっと曲がっています



真っ直ぐになりました


隅木を架けていきます




がっちりと噛合わされます




ぴったり



3本掛りました。後一本。









上棟しました
棟の仕掛けをパシャリ



母屋が隅木より下がっているのは、この差尺が通気層になっているからです









家の形が現れてきました
3時の休憩をはさんで、屋根垂木まで掛けてしまうようです



木に加工されている部分に垂木がはまっていきます



床の根太も張り始めている


現場監督が上棟式の準備をしています



屋根垂木が掛ってきました



隅木の先端。









シートをかけて今日は作業終了
これから上棟式をします





上棟式の様子