2012/01/16

T邸10 「現場 - 01 屋根葺き」

 日本の家は上棟が終わった後、まず屋根を葺きます。現在ではまず見られませんが、古くは、屋根を葺いた後、ある期間木の乾燥や動きを出させてゆがみの調整をしたり、土壁を乾燥させていたと聞いています。
 屋根は建物のなかで最も過酷な環境にさらされる場所のひとつです。そして、最も建物の姿にとって重要な部分です。T邸はピラミッド(方形)の屋根の裾を一部45度に切り欠いた形をしています。これをつくるのはとても大変な事ですが、そこがこの建物の大切な所になっていて、さまざまな事柄に波及してこの家の魅力になっていきます。あるいは逆に言うならば、この切り欠いた事(欠如)が波及して、屋根の形になり建物の姿として現れて来るのかもしれません。









防水シートが敷いてあります。これで、多少の雨は大丈夫です。換気口が付くので、天辺はまだシートを外せません

軒先の様子です。なかなか見ることはないですね。

鼻隠しと破風板の取り合い

妻側、破風板の合わせ。この厚みの中に仕掛けがあり、合わせ目が広がらない様にしています。

通風用のスリット。
屋根で熱せられた空気は棟の換気口から出て放熱し、ここから新しい外気が取り入れられます



内側からスリットを見た様子



このボルトは何だろう?と思ったら、鼻隠しを引き寄せているんですね(多分)



板金屋さんが作業しています
お疲れ様です